2025/11/01 10:00
🍃抹茶の新茶 ― 半年熟成して迎える、茶人の“秋の新年”
「新茶」といえば、5月頃に出回る、摘みたての緑茶を思い浮かべる方が多いかもしれません。
けれども、抹茶の世界では少し違います。
抹茶の「新茶」が味わえるのは、実は11月頃。秋も深まったころにやってくるのです。

🍂春に摘まれ、秋に目覚める「碾茶(てんちゃ)」
抹茶の原料となるのは「碾茶(てんちゃ)」と呼ばれる茶葉です。
これは、春に摘まれた茶葉を蒸したあと、揉まずに乾燥させたもの。
このままの状態ではまだ抹茶ではなく、石臼で挽くことでようやく抹茶になります。
碾茶は摘み取ったあとすぐには挽かれず、夏の間、蔵で静かに眠ります。
温度や湿度の管理された蔵の中で、ゆっくりと熟成することで、
角の取れた、まろやかで深みのある風味へと育っていくのです。
🎋11月、「口切りの茶事」で封を開ける
そして、秋が深まる11月。
茶壺の封を切り、初めて碾茶を取り出す儀式――それが「口切りの茶事」です。
この日をもって、茶人たちは一年のはじまりを迎えます。
熟成を終えた碾茶を石臼で挽き、新しい抹茶を点てて味わう。
その香りには、半年間の静かな時間と、自然の恵みへの感謝が込められています。
茶道においては、単にお茶を飲む行為ではなく、
**季節や時間の移ろいを感じる「心の節目」**として大切にされてきました。
🌿熟成が生む、まろやかさと落ち着き
新茶といっても、抹茶の新茶は「熟成」の末に迎えるもの。
春の若々しさに、半年の時を重ねた落ち着きが加わり、
やわらかく、円みのある味わいに仕上がります。
それはまるで、時間がゆっくりと丸くなっていくような感覚。
この季節に一服の抹茶をいただくと、
心の中まで静かに澄んでいくような気持ちになります。
☕やさしい一服を、日々の暮らしにも
Green Decafの「デカフェ伊勢抹茶」も、
そんな“日本の茶の心”を大切にしています。
水と二酸化炭素だけでカフェインを取り除く製法により、
抹茶本来の香りや旨みはそのまま。
夜でも、またカフェインを控えている方にも、安心して穏やかな時間を過ごしていただけます。
秋が深まりゆくこの時期に、静かに湯を沸かし、茶筅で泡をたてる。
デカフェ抹茶で、心を整えるひとときを過ごしてみませんか。
